みな皆くる来る雑記帳

日々の暮らしに役立つ豆知識を発信していきます。

※当ページのリンクには広告が含まれています。

もやもや病 虚血型の治療や検査は?治療費についても!

もやもや病とは?

 

もやもや病は,別名ウィリス動脈輪閉塞症(ウィリスどうみゃくりんへいそくしょう)と呼ばれ,日本で発見された病気です。


心臓から脳に向かう血管の中で,最も重要な内頸動脈(ないけいどうみゃく)の2本の動脈は,頭に入って二股にわかれ左右の大脳半球に酸素と栄養分を送りますが,もやもや病では内頸動脈の両方,もしくは片方が徐々に閉塞していき,その結果,脳の血流が悪くなります。

 

すると脳の血流を少しでも確保しようとして新たに側副血管(そくふくけっかん)が生まれますが,脳血管撮影検査を行うと側副血管がタバコの煙のもやもやした状態に見えたため,もやもや病と呼ばれるようになりました。


もやもや病の原因は分かりませんが,厚生労働省より難病に指定され,研究が進められています。

 

 

もやもや病 虚血型とは?

 

もやもや病 虚血型とは,血液不足で発症するもやもや病のことです。


内頸動脈が閉塞していくと側副血管が発達しますが限界があり,やがて大脳が血液不足状態となり,手の力が急に抜けて持っていた物を落としてしまったり,方側の手足がしびれたり,めまいがして歩けなくなるなどの一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)が起こります。通常は数分から20分程で治まるため軽く見られがちですが,何も治療せず放置しておけば脳梗塞に陥る可能性があります。


私の場合は,入院中の入浴後にめまいがあり,気分が悪くなってしまい,その場にしばらく座っていました。

その後回復して歩き出しましたが,手に持っていた入浴カードを2,3回落とし不思議な感じがしました。

そして,数時間後にペットボトルを持っていると,ペットボトルも数回落とし,翌日そのことをドクターに話し,一応MRI検査を行うと脳の左側の血管が見えないということが分かり,さらに検査を進めてもやもや病と診断されました。

 

 

もやもや病 虚血型の治療は?

 

もやもや病 虚血型の治療には,2つの方法があります。


もやもや病 虚血型と診断されても血管の閉塞に致命傷がなければ,抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)を飲むことで手術をせずに済むこともあります。

しかし,血管が閉塞していくのを止めたり,元の形に戻したりすることはできませんから,薬のみの治療には限界があります。


薬を飲むだけではその後脳梗塞になる可能性がある場合には,脳血流を増やすバイパス手術を行わなければなりません。


バイパス手術には,直接血行再建術と間接血行再建術がありますが,いずれも全身麻酔をかけての開頭手術になります。


私の場合は,55歳の時に間接血行再建術の手術を受けました。2013年8月5日に教育入院していた病院で脳の異常が見つかり,8月6日に九州医療センターに転院し,いろいろな検査を行った結果,バイパス手術をして脳梗塞を回避した方が良いということになり,8月16に手術し,9月3日に退院しました。

 

 

もやもや病 虚血型の検査は?

 

もやもや病 虚血型の検査は,私が九州医療センターで受けている検査です。


・検体検査(採血,採尿,検便)


・レントゲン検査


・心電図検査

 心電図検査では波形が記録されます。心電図には,「正常」波形とされている波形記録があり,それに当てはまらなければ「異常」と判定されます。


・超音波(頸部血管超音波)検査

 頸部血管超音波検査(頸動脈エコー)は,首の血管に超音波をあて,頸動脈の動脈硬化プラークによる閉塞がないかを調べる検査です。プラークとは,内中膜複合体(IMT)と呼ばれる血管の壁が一部分だけ1.1mm以上盛り上がったもので,頸動脈が狭くなったり閉塞する原因となります。


・ABI検査

 ABI検査は,閉塞性動脈硬化症(ASO)において下肢動脈狭窄や閉塞の程度を表す指標で,ベッドに仰向けに寝,両側の腕と足首に血圧計の帯,両手首に心電図の電極,胸に心音マイクを装着し上腕と足首の血圧を測定します。上腕の高い方の血圧と左右それぞれの足首の血圧の比率を計算する検査です。

動脈硬化が進んでいない場合は,仰向けに寝た状態では腕の血圧より足の血圧の方がやや高い値を示しますが,動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧は低下します。

動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため,上腕と足首の比によって狭窄や閉塞の程度がわかる検査です。


・MR(頭部+脳動脈血管(MRA)検査

 頭部MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査は,電磁波を用い,血流の信号のみを処理することで造影剤を用いることなく脳血管,特に脳動脈の形態を立体画像化する検査です。脳動脈の狭窄やくも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう)や脳動静脈奇形の有無など,虚血性及び出血性脳卒中のリスク発見に役立ちます。


核医学(アセタゾラミド負荷脳血流定量シンチグラフィ)検査

 アセタゾラミド負荷脳血流定量シンチグラフィー検査とは,脳の血流,代謝の状態を調べる検査で,SPECT(Single Photon Emission CT)とも言います。ごく微量の放射性同位元素を含む診断用の薬を注射して脳血流の評価を行います。また,アセタゾラミド(脳血管拡張剤)という薬を注射し,脳血流低下の程度を評価します。脳血流が低下し,脳血管予備能がないような場合には,脳梗塞の危険性が高いと考えられ,外科的な治療も含めて治療方針を考えることがあります。


以上が,九州医療センターで受けるもやもや病 虚血型の検査です。

 

 

もやもや病の治療費についても!

 

もやもや病には,申請手続きをすれば医療費の自己負担額を少なくできる制度(医療費助成制度)があります。

これは,もやもや病が「指定難病」とされているためです。


もやもや病と診断されたら,「下記の手順」で書類を用意し,都道府県市町村の保健課で申請し,審査で認定されると,特定医療費(指定難病)受給者証が交付され,医療費の補助が受けられるようになります。

 

f:id:hidejinjin:20190826193350j:plain

「下記の手順=申請に必要な書類」

 

・特定医療費(指定難病)支給認定申請書


・臨床調査個人票(診断書)(主治医か難病指定医に作成してもらう)


医療保険証(原本または写し)


・所得確認に必要な書類(所得課税証明書等)


・申請者の個人番号カードまたは通知カード等


・申請者の本人確認ができる書類(運転免許証,パスポート等)


・印鑑(認印可・スタンプ式の簡易印鑑は不可)


・(非課税の方のみ)収入確認に必要な書類(障害年金,遺族年金等)


・(該当者のみ)加入医療保険の保険者へ適用区分を照会するための同意書


・(所持者のみ)高額療養費限度額認定証(写し)


・(該当者のみ)世帯内按分を確認できる書類


・(該当者のみ)「軽症高額該当」を確認できる書類


・(該当者のみ)「高額かつ長期」を確認できる書類


・(該当者のみ)生活保護受給証明症

 

 

もやもや病 虚血型について,私の体験も含めて紹介しました。


私の場合は別の病気で入院している時に異常が発見され検査をいろいろとする中でもやもや病と診断されましたが,全て入院中に分かったことばかりなので,ある意味とても運が良かったと言えるかもしれません。

 

 

皆さんがどのような形でもやもや病と診断されるのかはわかりませんが,バイパス手術を受ける場合には,約1ヶ月前後の入院が必要になるかもしれません。


また,手術後は最低5年前後の定期検診または検診入院による検査が必要となります。


いずれにせよ,もやもや病になりバイパス手術を受けることになったすべての方が,手術後に手術前と比べて元気に過ごされることを願います。